麻葉亭

たまに立ち止まるかもしれないけれど、前を向いて歩いていきたい

本を読んで大事なものに気が付いた

図書館で借りてきた本『MOGUS わが友モーガス』 C.W.ニコル著 を読みました。

我が家にいるフラットコーテッドレトリバーにそっくりなこの表紙に惹かれたんです。

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イギリス人のニコルさんと、同じケルトの血が流れているアイリッシュセッターという犬種の生活。鈴木龍一郎さんという方の写真が、自然の中でのびのびしているモーガスとニコルさんの豊かな表情をとてもよく捉えていて、写真を見ているだけでも楽しくなります。

 

犬を飼うということは、小さな子供が一人増えたのと同じくらい自分の時間を吸い取られます。

犬の大好きな散歩に付き合い、ほぼ決まった時間にご飯の用意、1日に何回か、雨の日も嵐の日でさえ外に連れ出すことは家族の協力が絶対必要です。長時間家を空け、ひとりぼっちで留守番させるということは、群れで暮らしている犬にとっては大きなストレスになります。

我が家では、家に誰もいなくなる時には犬をロックのかかるハウスに入れて出かけますが、ついうっかりハウスに入れるのを忘れようものなら、置いていかれた腹いせにゴミ箱の中身をまき散らし、手の届くところにあるメガネはガリガリにかじり、帰宅した時には手遅れ、後の祭りという状態になります。でも、悪いことをしたのがわかっているので、上目遣いに顔をチラチラ見ています。現行犯でもないのにここで怒っていいのか・・・、いつも迷いますが、犬にとって一番堪えるのは無視されることなので、黙々と片付け、その後完全に無視します。

一種の心理戦です。犬と心理戦をやっているなんて情けない飼い主ですが、これがどうして、結構ハードな戦いなんです。悪かった気持ちを抱えたまま惨めな顔をして眠ってしまうと急に可哀想になって、ここまで意地を張らなくてもよかったなぁと思ったりするのですが、戦っている時は本当に腹が立って、まるで人間の子供と同じだなぁと思ったりしています。

 

自転車に乗りたいなぁ、ロングライドへ行きたいなぁと思っても、時間の制約でなかなか出られなくなりました。そんな不満を、犬がいるからだ、と決めつけていましたが、ニコルさんの本を読んでハッとしました。

10年くらいしか生きられない犬との時間は、いつでも乗れる自転車と比べようもないほど大事な時間。そんなことを気付かせてくれる本でした。

 

 

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