スミレを見て
アスファルトで生きているスミレに花が咲きました。
春が来て、花を咲かせられたことをちょっぴり嬉しく思うと同時に、いつも通る新宿の通路に寝ている人のことを思い出しました。
コンクリートの上に段ボールを敷き、毛布にくるまって寝ている人が2人。横目で見ながら通り過ぎていましたが、先日、通りかかると段ボールは1人分しかありませんでした。
その1人分の段ボールには、毛布が数枚きれいに畳まれて積んであり、人の姿はありませんでした。今年の冬は特に寒かったので、冷たいコンクリートの上で夜を明かすことは体に堪えることでしょう。
このアスファルトのスミレも、人が踏んで千切れてしまうかもしれず、誰かに抜かれてしまうかもしれず、それでも今年はこうして花を咲かすことができたこと、このまま生残ってほしいと思いながら写真を撮りました。